アイデアを出すのはなぜむずかしい

アイデアを出すのはなぜむずかしい

デザインという仕事において、アイデアを出すという作業は本質的なものである。そのことと、アイデアを出すことはむずかしい作業である、ということについて考えてみたい。
なぜむずかしい
「アイデア」を、いちばんやさしい日本語でいえば「思いつき」ということになる。だから「アイデアを出す」とは「何かを思いつく」ということといえる。
またアイデアを出すことは、小さな発明をすることともいえるだろう。実際にエジソンの電球やワットの蒸気機関などの大きな発明も、元は小さな発明=小さな思いつきから始まっているのだと思う。
それでは「発明」のむずかしさとは、いったい何なのだろう。
それは、発明に至る方法や道筋がわからないということだと思う。ここでは何かを「考える」ないし「理解」することと比較してみよう。何かを理解して新しい知識を自分のものにすることも、発明することと同じようにすばらしいことだ。でも、何かを理解することは、道は容易でないにしても、その道筋自体はだいたいわかっている。その何かに関連する基礎的な事柄の理解を重ねてそれをつなぎ合わせていけば、いずれは複雑なことも理解できるようになる。学校での学習はそういうことの連続であるし、先生がその手助けをしてくれる。
でも、何かを思いつくためには、具体的にどうすればいいのかがよくわからない。考え、覚え、理解することは、じょじょに知識を重ねるという「連続性」があるのに対して、「思いつく」のは、飛躍を含んでいる。また考えるや理解するが、能動的な行為であるのに対して、「思いつく」のはなにか受動的なことで、自分の身に起きることのようでもある。「思いついてしまう」のであって、意識的に「思いつく」ことはできない。学校で思いつくことをあまり教えない/教えられないのは、そういうこともあるだろう。
また先に「何かを思いつく」と書いたが、この「何か」が思いつく前にはわかっていない、ということもある。「何か」は「思いついた」結果として出てくるものである。それに対して「何かを理解する」というときの「何か」は、あらかじめわかっている。自然科学/物理法則、社会の動向、人の気持ち、などを理解しようとして、それを始める。

何を理解したいのかわからない内に、理解という行為をはじめることはできないし、思いつく前には、思いつきたいことが何なのかわからない。

デザインおけるアイデアとは

アイデアを出す(思いつく)をどう促進させるか
考えること

220106


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